この記事は2010.03.20 Saturdayに書かれたものです。
僕らが生まれるずっと前(ちょっと前?)1950年代のことである。
あたりまえの話だが、当時からミュージシャンがスタジオでレコーディングするときには必ずスタジオでなんらかのエフェクト処理がされていた。
「スタジオで」とあえて書いたのは、それまでのミュージシャンのレコードといえばどこかのホールや小公会堂、教会などで実況録音されたものが音楽の唯一の記録方法であったからだ。
やがて録音機材が技術革新により民間で手に入りやすくなると、音楽はスタジオで録音するスタイルで ”RECORD”してゆくようになった。
さて、スタジオで手軽に録音が可能になったものの、ホールでの残響感はどう工夫してもあのデッド空間では出せない。現在のように電気的に残響音をつくりだせなかった時代には、かなり残響音が長い、広いスタジオをつくっておき、音源から壁までのあいだに間仕切りの小さい板を吊るし,残響音を調整していた時代もあったのである。
しかし、そんな環境がどこでもつくることができるかというと、到底不可能である。
そこで開発されていったのが、大型プレートエコーなどのスタジオ据付機材たちである。
プレートエコーなどはその後も数十年に渡りボーカル録りをする際には重宝されたが、何せ畳4〜5畳ほども大きさがあるので、とてもじゃないがそれ自体を移動させることを考えること自体が無意味であった。
さて、それでは何らかの方法で残響をシミュレートする方法はないか。ということで次々に方法が考えられていった。
つづく
by モウダ
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- 2010.03.20 Saturday