この記事は2012.12.15 Saturdayに書かれたものです。
iです。前回からの続きです。
ではLOUD&PROUD THE FUZZ BOX “GERMA”の誕生からお話ししますと、今年はTHE FUZZ BOXがシンコーミュージックさんの「EFFECTOR BOOK Vol.16」や「ヤングギター」、リットーミュージックさんの「ギターマガジン」、そして、エフェクターマニアに人気があり、楽器業界人もエフェクター担当者は必ず目を通す(?)という人気サイト「気になるおもちゃ」さんにも取り上げられ、おかげさまでプロ、アマ問わずご来店ご購入いただき、それはそれは感謝この上なかったのですが、そうなったらそれはもう、注目が冷めやらないうちに次の一手を…というのが人情というもの(笑)。
というわけで、12月のセールで何か話題性のあることはできないかと私からSさんに電話をかけたある日のこと、あーでもないこーでもないと二人で頭を絞って考えていたらSさんがいきなり
S氏「ゲルマニウムを使ったTHE FUZZ BOXを一度作ってみます?」
その言葉にふいうちを食らったといいますか電気が走りました。
私「ゲルマ??いいねえ〜〜〜でも実際出来るの?」
S氏「一応私もあれから日々研究に励んでましてね、ゲルマを使ったFUZZ BOXも作ってはいたんですよ。でもそれが商品として通用するかはiさんの判断次第なんですけど」
私(すごっ、さすが元アンプ設計者)「そうなんだ(汗)?ぢゃあそれひとまずサンプルでいいから音を聴かせてよ」
そんなわけで、それからはまたSさんと私がタッグを組んだ、見えない敵との戦いが始まったわけでした。
いや実際、シリコンであそこまで頑張ってもう二人の引き出しは使い果たし、「これでどうだっ!」と発売したのが去年の12月。
ゲルマは確かに商品としては魅力的ですが、動作は安定しないししかもっ、もし出すならTHE FUZZ BOXとのサウンド的な差別化は絶対に必要になる。果たしてそれがうまく出来るのか??
サンプルのサウンドを聴いて、図太いし確かに面白いとは思いましたが、それと商品を作るのとは全く別の話です。
一時は閉店後、仕事を終えた私の前に基盤むき出しのFUZZ BOX“GERMA”を持って待ち構えているSさんをうらめしいと感じたこともありましたが(笑)、そこはもう、実際作業が始まってからは良い音へのあくなき探究心というのがこんな私でも多少はあったわけでして…(笑)。
そして、試作に改良にと日々を費やし、ようやく「これだ!」というものが出来、製品として一度は納品してもらったものの、やはり何かが違う…。やり直し。
そんな繰り返しの中、ようやくこれならおそらく大丈夫であろうというものが完成したわけです。
こうして出来上がったFUZZ BOX “GERMA”ですが、今回一番困ったことは、何度も申し上げますが、ゲルマニウム・トランジスタを使用してオリジナルTHE FUZZ BOXをある意味超えた良い方向にもっていくことでした。これには本当に何度Sさんと頭をかかえたかわかりません(苦笑)。
具体的に言うならば、ゲルマ独特の色の濃い、良い部分のみを抽出する作業です。しかも、FUZZ BOXの操作性、つまり右手のコントロールに俊敏な部分の使い勝手はそのまま残したいという。
それと、やはりゲルマと謳って商品を出す限り、人々が持っている「ゲルマ=太い」といったイメージのその太さ加減と申しますか、いかに魅力的な“ゲルマ感”というものを前面に出し、しかも(ここが大切です)
温度等に左右されない安定した動作を可能にするか…。
何度やってもオリジナルを超えることが出来ず、もう無理なのか?と二人とも落胆しかけた時、彼も漢(おとこ)ですね(笑)。最後の最後にそれまでの設計の発想から頭を転換したのでした。つまり、我々のサウンド作りの基本の基本に戻り、すべてヒアリングで最初から音を作り始めた結果、ゲルマニウムとシリコンをミクスチャーで使用し、互いの良さを強調するやり方を偶然に見つけたわけです。
それらのプロセスには、私はただひたすらSさんに頭が下がると申しますか、ビルダーとしての彼に敬意を感じずにはいられません(と日記には書いておこう)。
さて、以上がTHE FUZZ BOX “GERMA”誕生までのお話です。
そして実際にこちらを試奏していただいた某音楽雑誌ライター&エンジニアの方には、少し興奮した様子で「これが正しいゲルマの音だ」との評価もいただきました。
あとは皆様が是非こちらを手に取って実際にそのサウンドの方をお試しいただきたく、
なにとぞ心よりご来店お待ち申し上げます。
i
ではLOUD&PROUD THE FUZZ BOX “GERMA”の誕生からお話ししますと、今年はTHE FUZZ BOXがシンコーミュージックさんの「EFFECTOR BOOK Vol.16」や「ヤングギター」、リットーミュージックさんの「ギターマガジン」、そして、エフェクターマニアに人気があり、楽器業界人もエフェクター担当者は必ず目を通す(?)という人気サイト「気になるおもちゃ」さんにも取り上げられ、おかげさまでプロ、アマ問わずご来店ご購入いただき、それはそれは感謝この上なかったのですが、そうなったらそれはもう、注目が冷めやらないうちに次の一手を…というのが人情というもの(笑)。
というわけで、12月のセールで何か話題性のあることはできないかと私からSさんに電話をかけたある日のこと、あーでもないこーでもないと二人で頭を絞って考えていたらSさんがいきなり
S氏「ゲルマニウムを使ったTHE FUZZ BOXを一度作ってみます?」
その言葉にふいうちを食らったといいますか電気が走りました。
私「ゲルマ??いいねえ〜〜〜でも実際出来るの?」
S氏「一応私もあれから日々研究に励んでましてね、ゲルマを使ったFUZZ BOXも作ってはいたんですよ。でもそれが商品として通用するかはiさんの判断次第なんですけど」
私(すごっ、さすが元アンプ設計者)「そうなんだ(汗)?ぢゃあそれひとまずサンプルでいいから音を聴かせてよ」
そんなわけで、それからはまたSさんと私がタッグを組んだ、見えない敵との戦いが始まったわけでした。
いや実際、シリコンであそこまで頑張ってもう二人の引き出しは使い果たし、「これでどうだっ!」と発売したのが去年の12月。
ゲルマは確かに商品としては魅力的ですが、動作は安定しないししかもっ、もし出すならTHE FUZZ BOXとのサウンド的な差別化は絶対に必要になる。果たしてそれがうまく出来るのか??
サンプルのサウンドを聴いて、図太いし確かに面白いとは思いましたが、それと商品を作るのとは全く別の話です。
一時は閉店後、仕事を終えた私の前に基盤むき出しのFUZZ BOX“GERMA”を持って待ち構えているSさんをうらめしいと感じたこともありましたが(笑)、そこはもう、実際作業が始まってからは良い音へのあくなき探究心というのがこんな私でも多少はあったわけでして…(笑)。
そして、試作に改良にと日々を費やし、ようやく「これだ!」というものが出来、製品として一度は納品してもらったものの、やはり何かが違う…。やり直し。
そんな繰り返しの中、ようやくこれならおそらく大丈夫であろうというものが完成したわけです。
こうして出来上がったFUZZ BOX “GERMA”ですが、今回一番困ったことは、何度も申し上げますが、ゲルマニウム・トランジスタを使用してオリジナルTHE FUZZ BOXをある意味超えた良い方向にもっていくことでした。これには本当に何度Sさんと頭をかかえたかわかりません(苦笑)。
具体的に言うならば、ゲルマ独特の色の濃い、良い部分のみを抽出する作業です。しかも、FUZZ BOXの操作性、つまり右手のコントロールに俊敏な部分の使い勝手はそのまま残したいという。
それと、やはりゲルマと謳って商品を出す限り、人々が持っている「ゲルマ=太い」といったイメージのその太さ加減と申しますか、いかに魅力的な“ゲルマ感”というものを前面に出し、しかも(ここが大切です)
温度等に左右されない安定した動作を可能にするか…。
何度やってもオリジナルを超えることが出来ず、もう無理なのか?と二人とも落胆しかけた時、彼も漢(おとこ)ですね(笑)。最後の最後にそれまでの設計の発想から頭を転換したのでした。つまり、我々のサウンド作りの基本の基本に戻り、すべてヒアリングで最初から音を作り始めた結果、ゲルマニウムとシリコンをミクスチャーで使用し、互いの良さを強調するやり方を偶然に見つけたわけです。
それらのプロセスには、私はただひたすらSさんに頭が下がると申しますか、ビルダーとしての彼に敬意を感じずにはいられません(と日記には書いておこう)。
さて、以上がTHE FUZZ BOX “GERMA”誕生までのお話です。
そして実際にこちらを試奏していただいた某音楽雑誌ライター&エンジニアの方には、少し興奮した様子で「これが正しいゲルマの音だ」との評価もいただきました。
あとは皆様が是非こちらを手に取って実際にそのサウンドの方をお試しいただきたく、
なにとぞ心よりご来店お待ち申し上げます。
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